第1章

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「トロイメライ」 ♯ 手廻しの オルゴール 二人 耳寄せて トロイメライは夕焼けに染む ♯ 君の言う 夢があんまり透明で 青すぎるから 手を離したの ♯ 傷口に ポロンポロンと音の粒 終わらぬように ゆっくり廻す ♯ ねえ君の 夢の受け皿 今誰と トロイメライを聴いていますか ♯ おずおずと 頬に手を添え 語りたる 遠い記憶が街に呑まれる ♯ 追いかけて届かず響く現実は 理想の危うき高音に泣く ♯ 初恋を 覚ゆ少年じみていて たどたどし指の やや 途切れがち ♯ 音と音の 間に夢が 身を潜め 貴方を連れて また遠ざける ♯ 朝焼けに 一人 廻しつオルゴール 似てはいるのに違う あかいろ
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