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俺は今、村で一番大きな役場の会議室にいる。
「これより、悪魔の力を持つ罪人…レオン・ハーバートに判決を言い渡す。」
今呼ばれた名前が俺だ、つまり俺は罪人…モンスターを癒す力を持っているだけで罪人になった。
「レオン・ハーバートはすべての村や町へ許可なく立ち入りを禁じ、リオルの森に追放とする。翌朝には、王国在住の騎手がお前をリオルの森に連れていくだろう。」
この世界は6つの国があり、俺がいるのはミレリア王国領土にある小さな村…リオル村に住んでいる。
それも今日までなんだがな。
判決を言い渡した偉そうな人は、仕事を終えるとすぐに外に待機させていた馬車に乗り、王国に続く道を進んでいく。
そして会議室に残ったのは俺と村の代表者達だけとなった。
「はぁ…よかったぜ、お前が打ち首になんかなったらどうしようかと…ひやひやしたぜ。」
そう言ってため息をつきながら立ち上がるのは、鍛冶屋のムーンさん。
彼は小さい頃から俺の面倒を見てくれてたおじさん。
「本当だよ、もしそうなったら皆で逃がす計画まで建ててたんだけど…必要ないみたいだね。」
そして、逃がす計画まで建ててくれていたのが村長のマルティネスさん。彼の娘が僕の幼なじみで、時々モンスターについての話を聞きに行っていた。
「まったく、誰がレオンちゃんの事を王国に通報したんだろうね…探してやろうかしら?」
「メイルおばさん、気持ちだけで嬉しいよ。」
「何を言ってるんだい!あんたは特別な力を持ってるだけで、別に危険なんかないじゃないかい!!」
そして最後が八百屋のメイルおばさん。彼女は昔、モンスターを狩るハンターをやっていて旦那さんを捕まえたらしい。
調合術も少し習っていたらしく、簡単な薬の調合もできる。
よく怪我をした時に薬を貰っていたな。
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