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 英里と買い物に行った時に買ったビキニ。上下ともにフリルがついたシックな花柄をチェストから出してみる。  「となると、やっぱり羽織りはこの前買った白いパーカかなぁ」  パーカばっかり着ちゃうけど、好きなんだから仕方ない。明日の支度をして、ベッドに入ると、充電していた携帯でアラームをセットした。  待受で微笑む晴くんは、どんな夏休みを過ごしているんだろう。英里は家族旅行って言ってたな……帰ってきたらいっぱい話したいな。  約束した朝8時、私の隣に立つ緒方先生。  「先生、行かないの?」  「だから、先生じゃなくて拓巳くん」  「行こうよ、早く」  「迎え待ってんの」  ハーフパンツにTシャツ姿で、サングラスを頭に乗せた先生が、にかっと笑って白い歯をのぞかせた。  「ハルが来るんだよ」  「えっ……うそ」  「こんな嘘ついても、ウケないっしょ。あ、あれかなー」  青になった信号を抜けて、1台の艶黒のRVが向かってくる。
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