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「拓巳、ちょっとだけ先に泳いでくるから待ってて。あとこれ預かってて」
「あいよー」
あっという間に着替えた晴くんの姿に、私は視線をそらしつつも見てしまう。そしてそんな自分が恥ずかしいことをしているような気持ちになった。
「ハルっていい身体してるよねー。俺が女だったら抱かれてみたいかも」
「先生、何言ってんの?!」
「釘付けだったのは、ももちゃんでしょ」
くすっと笑って、先生は預かったサングラスを渡してきた。
「待ってられないから俺も波乗って来るけど、ももちゃんは?」
「私は泳ぎに来たわけじゃないから」
そう、と言って、先生はサーフボードを抱えて砂浜に足跡を付けた。
ネイビーと白のボーダーのサーフパンツだけ着た晴くんは、先生なんかじゃなくて、カッコいい男の人になっていた。引き締まった身体、触ってみたい腕……全部が私の注意をさらっていく。
海で泳いでいる晴くんと、波を待つ先生。
すぐに先生は沖の方へと進んでいった。
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