1334人が本棚に入れています
本棚に追加
パラソルの下は日陰だけど暑いことには変わりない。晴くんが持ってきていたクーラーボックスからペットボトルを出して、のどを潤して息をつく。
なんであんなにスタイルいいの?お酒のせいでお腹ぽっこりとかそういう欠点もなく、ひたすら他の女の子たちの視線を集めている。
「ねぇ、1人?」
突然遮られた視界。小麦色がしゃがみこんで、勝手にパラソルに入ってきた。
「違います」
「友達ちゃんは?っていうか君の名前は?可愛いね、どこの大学?」
私、大学生に見えるのかな。高校3年と大学生じゃ大差ないけど……大人っぽく思われたいと日々思っていたから、ほんのちょっとだけ嬉しい。でも、この人たちはとても苦手だ。
「桃葉ですけど……」
「名前まで可愛いじゃん!で、お友達ちゃんは?良かったら俺らと一緒に遊ぼうよ」
「それは無理だな」
左側の人の隣に同じように、晴くんがしゃがみこんだ。
「俺の女に、手出さないでもらえます?」
濡れた髪を全て後ろに流し、私の手からサングラスを取るとカチューシャみたいに髪に乗せて、彼が隣に座ると2人はあっさり去って行った。
最初のコメントを投稿しよう!