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   初恋が実った時、すごく幸せな気持ちになったことを覚えてる。    そして失恋したときは、奈落の底に突き落とされたような、そんな感じだった。  好きでいた分だけ、深く深く。  「音信不通って、終わりってことじゃない?」  友達に言われても、認めたくなかった。  だけど、認めなくちゃ進めなくて。  必死でもがいて、傷が治ったふりをして今日まで過ごしてきたのに。  もう好きじゃないって、そう思い込んできたのに。  「椎名 晴(しいな はる)です。今日から音楽の時間がもっと楽しい時間になるよう頑張ります。皆さんどうぞよろしくお願いします。」  大好きだった元カレの晴くんと再会した。  お隣さんでもなく、もちろん彼氏でもなく、先生と生徒として。
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