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だが、その時正志はあまりにゲームに夢中になりすぎて完全に失念してしまっていた。
”警戒“するという事を。
「ちょと、あなた」
突然、正志の肩に何者かの手が置かれた。
背筋に嫌な悪寒が走り、正志が恐る恐る後ろを振り向くとそこには。
「!」
「男の子なんだから熱くなるのはわかるけど、なりすぎるのは・ダ・メ・よ。
まわりの迷惑も考えなくちゃ」
「……………はい」
あのゴスロリリーゼントの人の姿を見た瞬間、正志の中でいろんなモノが急速に冷えていった。
その後すぐにゲームセンターを出て、現在にいたるわけなのだ。
少し長めのくだりにはなったが、速い話が退き時を誤ってしまい、たいして欲しくもないキーホルダーのためにそこそこの金額を注ぎ込んだあげくいらんトラウマまでこしらえてしまった、と言う話しである。
しかも
いちお取れたのはいいのだが、このキーホルダーのクオリティが素人目からみても非常に低いと言わざるえない。
おそらく、ほぼ同じレベルのモノをショップで買えば正志がキーホルダーを取得するのに費やした金額の何分の1かで手に入るだろう。
さらに言うならこのキーホルダーのマスコットがなんというか、おそろしく可愛くないのだ。
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