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などと考えながら、なんとか話しの話題を手に入れようと彼女を眺めてみるが。
ずぶ濡れの服が少女の白い肌に張り付いていて、なんとなく凝視しずらい絵面になってしまってとてもそれどころではない。
そこでふと彼女の背後で何かが揺れた。
それはランドセルにぶら下がった白いウサギのストラップだった。
「君、そーゆうストラップ好きなの」
そう言うと正志は鞄からさっきのドッグレンジャーのストラップを取り出した。
(かなり金を注ぎ込んだ物だが、この際この子にあげてしまおう。
正直、これを見るたびにゴスロリとリーゼントのいやな思い出がフラッシュバックするからさっさと手離したかったし、これでこの子の好感度が上がるなら一石二鳥ではないか)
「じゃあ、この犬のストラップあげるからお兄さんのところに来ない?」
「すみません、“怪しい人”から物を貰ってはいけませんって言われてるですから」
「あれ?警戒のレベル上がってない」
知らない人 > 怪しい人
「あと私は犬が嫌いです」
「さらに追い打ち!」
「私は大丈夫と言っているのですから、さっさと行きやがれです。変質者」
「ついに通報レベル!」
怪しい人 > 変質者
トントン拍子で嫌な方向にレベルアップする俺。
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