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一気にその顔をひきつらせる少女。
「ちょっ、待って!」
なんとか止めようとするが、時すでに遅し。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ」
少女の絶叫が大爆発、と同時に。
「のわあああああああああああああ」
固いドア板を突き破って女性のものらしき白い腕が飛び出してきた。
そして、まるで腕そのものに目でもついているかのような正確さスピードで正志の顔面を鷲掴みにするとそのまま万力のように締め上げた。
「話し、聞かせてもらえるよね」
「は、はいぎゃあああああああああああああああああ」
ドアの向こう側から寮母様の冷たい声が響いた。
学園男子寮 食堂
行儀よく並べられた複数のイスと長机が置かれた食堂の一角を正志と数人が囲んでいた。
「いって~、ちくしょ~、ここまでするか普通」
「でもよかったじゃないか。
あの子のお陰で寮母さんからの折檻(せっかん)は軽めですんだんだろ」
「そりゃあ、まぁな」
あの後、怒れる寮母様を前にあの少女が説得に加わってくれたため、なんとか“人助け”であった事が証明され軽めの折檻ですんだのだ。
「それにしてもスゴいよね~、ここの寮母さん。
アイアンクロー、卍固め、コブラツイストにジャーマンスープレックスの連続技をあんなキレイに繋げられるなんて」
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