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会社を先導する者がそれを出来るか出来ないかで会社の行く末、そのほぼ全てが決まると言っても過言ではない。
だが、それはそれとして、どうして戦国武将でもなければビジネスマンでもない俺がこんな事を考えているかと言うと。
「なんで俺はあの時……………ハァ」
それは俺がいま左手で弄(もてあそ)んでいる手のひらサイズの人形のキーホルダーにあった。
それは今から2時間ほど前、今日はバイトもなく補習で大魔人に捕らえられる事もなく、俺にしては珍しく放課後のんびりと帰路を歩いていた。
普段からわりと騒々しい日常をおくっているため、たまにこんな風に時間がポッカリと空いてしまうとついついもて余してしまうのだ。
べつに空いた時間で何かしたいという事もなく、寮に帰って寮母様が作る晩御飯の時間まで部屋でゴロゴロしているのもそれはそれで悪くはないのだが。
せっかくできた時間なので、なんとなく何かしないと勿体(もったい)ないような気分なのだ。
そこで正志はいつも使っている通学路から脇道に入り、駅前の商店街の方に足を向けてみる事にした。
脇道を抜け大通りに出てから駅の方に向かって歩いて行くと商店街のアーチが見えてきた。
商店街は空が薄暗くなり始めたというのにそこそこの賑わいを見せていた。
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