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「か、帰ろう」
予想もできなかった嫌な恐怖にどうしようもない疲労感が重なって、正志の足はカクカクと震えていた。
仕方なくUFOキャッチャーの台に手をついて下半身を引きずるように出口に向かって進んむことに。
なんとなく情けない格好になりながらも後UFOキャッチャーを2・3台越えた先に出口というところで、その時手をついたUFOキャッチャーの台に正志の視線が吸い込まれた。
そのUFOキャッチャーの景品は手のひらサイズのマスコットのキーホルダーで台の中に隙間がないくらい山積みにされていた、それで正志がいったい何に興味をしめしたのかと言うと。
山積みにされたマスコットキーホルダーの山の中、景品を落とす穴と景品を隔てる枠板がある。
その枠板から穴の方へ大きくはみ出している1体が見えたのだ。
そのキーホルダーは本当に穴に落ちるギリギリの所で止まっていて、あと少しほんの少しの震動で落ちるんじゃないかと思うほどだ。
(これなら1プレイで………いや俺は初心者だ、いくらなんでもそう簡単に取れるとは思わない方がいい。
だが、この状態なら1プレイは無理だったとしても、2・3プレイくらいで………)
と、モンモンと1人で苦悩した末に正志は2階から人が降りてくる気配がないのを確認すると、そのまま両替機に向かった。
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