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「500円くらいなら」
両替機で500円を崩すとすぐさま先ほどのUFOキャッチャーへ、そして最初の100円玉を台に投入した。
だが、ゲームセンターでUFOキャッチャーをプレイした事がある人ならもうすでに気づいているかもしれないが。
こういうモノは大概、店側が“わざと“やっている場合がある、いわゆる”釣り“というヤツだ。
だから今、正志は。
「あれ、失敗した!」「もう、一回」「見切った、これで……………あれ?」
と、見事に店側が設置した負のサイクルにはまり、限度額と決めていた500円を越え1000円2000円を突破。
そして、ついに30枚目の100円玉を使ったチャレンジの時。
ゴトンッ
さんざん抵抗(?)していたそのキーホルダーは、戦いの果てについに景品取り出し口へ続く穴へとまっ逆さまに落ちて行った。
ゆっくりとした動作で取り出し口からキーホルダーを取り出す正志、手のひらサイズのキーホルダーを眺めながら突然不適な笑みを浮かべ。
「確かにお前は手強かったが………、俺ほどじゃぁなかった…………………、ふっ、ふふ、ふはははははははははははははは」
1つの戦い(?)を終えた興奮である種のドリップ状態になった正志は、その景品を手によくわからないテンションで意味不明なセリフをはいていた。
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