デートをしようか

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「遅い。」 伊織のバイクに乗せられ、倉庫に到着した途端浴びせられた言葉に、俺は驚き固まった。 倉庫の奥にある、【朱雀】の総長専用の部屋には、俺の知らない男の人が1人、ソファに座っていた。 染められた部分がどこにもない真っ黒なショートヘアで、ウチの高校の制服をキッチリ着こなしている。 …どこからどう見ても、暴走族に見えない。 どちらかと言うと、真面目な優等生という印象。 「悪ィな。待たせた。」 「まったくだ。お前から呼び出しておいて…」 言葉とは裏腹に、彼から伊織に対する悪意は感じられない。 スッとした一重瞼や若干高めの鼻、薄い唇…。 贔屓目に見ても、伊織と同じくらい美形だ。 彼は伊織の隣に立つ俺の存在に気づき、眉をひそめた。
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