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興味のなさそうな顔で俺を見て、十羅さんは視線を伊織に移した。
「…伊織、いつの間に趣味変わったんだ？」
「あ？」
「男もイケるとか。聞いてねーぞ｡」
「………」
趣味って…。
確かに、俺と会うまで伊織はノーマルだった。
ノーマルだと思っていた人が実は同性もイケるなんて、驚くのが普通の反応だと思う。
だから、テンションの低さはどうあれ、十羅さんの反応は『普通』なのだ。
…わかっている、けれど。
やっぱり心に刺さる。
「趣味とか言ってんじゃねぇよ｡」
伊織がおもむろに口を開いた。
見上げると、こちらを見下ろして微笑む伊織の姿があった。
「雅臣だから｡」
「………」
「雅臣が男だろうが女だろうが、俺が傍に置くと誓ったのは、コイツだけ｡」
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