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「ここだ。」
石段を上り続けること10分。
漸く最上段に辿り着いた。
……正直、ヘトヘトだ。
「疲れたか?雅臣。」
「ん……っ、ちょっと、ね…」
情けないことに、息切れ。
一方で伊織は平然としている。
流石、暴走族の総長。
……同じ男として、これはダメだよね……
伊織に比べて、俺は軟弱だ……
やっと落ち着いてきた頃。
俺は数十メートル先にある建物をまじまじと見つめた。
そこにあるのは、
「神社…………?」
寂れた神社と、その手前に建てられた鳥居。
近づけば近づくほど、その荒廃っぷりが視認できる。
鳥居も完全に色が禿げてしまっている。
神社もあちこちで草が伸び放題になっている。
───人々に忘れさられた土地神が、寂しく祀られていた。
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