デートをしようか

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「───は…」 唇を離され、ぼんやりと伊織を見る。 俺をまっすぐに見つめるその鋭い双眸は、抑えきれない熱で揺れているようで。 ジン、と俺の身体が疼く。 「…雅臣、こっち。」 優しく手を引っ張られるまま、伊織の後に続く。 向かう先は、目の前の荒廃した社。 木製の扉を開け、中に入った。 神社の建物の中には入ったことはなかったけれど、そこには何もなく、ただ少し埃っぽいだけの空間が広がっていた。 扉を閉めた瞬間、伊織の腕が俺の身体を捕らえ、あっと思った時には俺の唇は再び塞がれていた。 ───他でもない、伊織の熱い唇で。 「んっ───は、ん…」 「雅臣…」 互いの唾液を交換するように、離れる一時すら惜しむように、熱を分け合う。 伊織の舌が俺の舌に触れるたび、脳天を突き抜ける快感。 「あっ……」 伊織の手が俺のソコに触れ、俺の身体がびくりと痙攣する。
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