デートをしようか

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「い…おり、ダメ…こんな所で…」 息が荒くなりながらも、抵抗を試みる。 そんなもの、伊織の前では何の意味も持たないことくらい、わかっているけれど。 「ダメ? …“嫌”じゃなくて?」 「───っ」 意地悪な笑みを浮かべ、伊織が俺を見下ろす。 愛撫の手を止めることなく。 「こんな触り方じゃ、物足りねぇだろう…?」 耳元で囁かれ、全身の肌が粟立つ。 伊織の声は、低くて艶がある。 そしてそれは、俺の心も身体も一瞬にして支配してしまう。 気づけば俺は、床の上に横たえられていた。 伊織の、執拗に俺を攻める手は止まらない。 「いおりっ───も、やっ…」 「身体は嫌がってないみてぇだが…?」 伊織の意地悪な声が鼓膜をいやらしく刺激する。 伊織は顔を寄せ、俺の唇を塞いだ。 「んっ───」 互いの唾液が混ざりあい、溢れ落ちる。 何度も角度を変え、互いの舌を絡ませ、熱を分け合う。 今、ここには俺と伊織の2人しかいない。 静かな空間に、俺と伊織が触れあう衣擦れの音と…2人の荒い息の音が響く。
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