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「伊織、【村雨組】がおまえと接触したがってる。」
伊織との“デート”から2日ほど経った日。
俺は伊織と屋上で昼休みを過ごしていたのだけれど、そこには十羅さんもいた。
十羅さんは今日付けで俺たちの通う高校に転入してきたようだ。
十羅さんの言葉に、伊織がハッと息を呑むのが聴こえた。
「【村雨組】…だと?」
そう反芻した伊織の声は固い。
俺の肩に回された手に、僅かだけれど力がこめられた。
「伊織が【朱雀】の総長に就任してから一度もこっちに対して動きを見せてこなかったのに、だ。」
「………」
「アイツらが俺らや総長であるおまえに近づこうとすんのには必ず何か企んでるに決まってる。
伊織、色恋にウツツ抜かすのもいいが、警戒は怠るなよ。」
「……。ああ。」
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