第1章

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プロローグ 「今夜だけは、俺の女でいてくれ」 「え! ちょっ…吉良さん…!」 急にベッドに押し倒される。 (なに?! なに?! 何が起きたの?!) 目の前には吉良さんの瞳。近すぎて、おでこがくっつきそう。 「困らせるって分かってる。  だけどもう、  限界…みたいだ」 吉良さんは一瞬切ない顔しながら言い、苦しそうに微笑む。 「今夜は、今夜だけは、俺の女でいてくれ」 「……きゃっ」 首筋に優しくキスをされ、そのまま甘噛みされる。 (だ、だめ……!) 吉良さんの手で、私の両手は拘束されて、なすがままになってしまう。 「杏、好きだ」 耳元で囁かれると、吉良さんの吐息が耳にかかる。 (ど、ど、どうしよう。  私、彼氏いるのに……!!)
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