最果ての音色が導いて

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デラの家の裏の山にある忘れられた小道には白いマグノリアが群生していて、揃って大輪を開いていた。 ここは、白亜の庭園。かつて暮らしていた場所に、少し、似ている。 彼は適当な木の根元を選んで、それからは、もうずっと、立ち上がることはなく座り続けていた。目を閉じる度、体の力が抜けて吸い込まれていくように意識が途切れる。 「デラ。見てよ、ほら。今夜の月はあんなに丸くて眩しい。あれは、キアロと観た、砂漠の月のよう」 彼は幕に映った夜空を指差し、両腕を伸ばした。 月が、降りてくる。 慌てて開いた目に昼下がりの光が刺さる。彼は眉間を寄せた。 音が聞こえていた。それは庭園の守り人が奏でる白い花弁の鐘の音。皆、同じ方向を仰ぎ、太陽を賛美する。 天空から遮るものなく照りつけている日の光で頬が熱い。
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