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《ドールハウスへいらっしゃいませんか?》
郵便受けに手書きチラシが入っていた。
「何々……、《ドールハウスではあなたそっくりな人形を製作いたします》……か?」
そのチラシの写真に目をやる。
「胡散臭えー」
俺は独り言を言いながらもそれをポケットにしまい込んでいた。
何故胡散臭いのか……
其処には等身大フィギュアと書かれた人形と、それにそっくりな男性が写っていたからだった。
「どうみても合成写真だろ。あれは……」
つい、独り言を呟く。
俺はその時から、この罠に掛かっていたのかも知れない。
ふと気付くと、俺は見たこともない道を歩いていた。
「あれー!?」
一応頭をひねってみた。
「確かさっき家の前に居たよな?」
キョロキョロと探してみてもそれらしき物は無い。
「んなバカな……」
電信柱の標識を見て……
其処が何処だか気付く。
俺が居たのは隣町だったのだ。
「隣町? あれっ何処かで、さっき……」
俺はそっーと、ポケットにしまったチラシを出してみた。
「やっぱりこの町だ」
疑問が一つ解けたようで何故かスッキリしている俺がいた。
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