第1章

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ずっと断り続けていた高校のクラス会に出よう、だなんて思ったのは。 あの頃自分がなにを考え、なにを思っていたのか知りたかったからかもしれない。 カオルは今、何を思うのか。 あの頃の俺だったら、もっと寄り添えていたのか。 そんな過去を、辿りたかったのかもしれない────。 ***** 「っらっしゃいませー」 威勢のいいかけ声に迎えられ入った居酒屋は、週末ということもあって一段と混みあっていた。 「ご予約は?」 よく焼けた笑顔でそう問われ、口を開こうとしたとき。 「おー!冴島、こっち!!」 奥の座敷の引き戸が開き、懐かしい顔が俺を手招きした。 それに片手をあげて応えながら、応対しくれた店員に軽く頭を下げる。 その中に足を踏み入れると。 「はい、冴島とうちゃーく!!」 「うっわー!冴島久しぶりだなぁ!!」 「冴島君、男っぷりあげた!?」 「変わんねーなー!お前!!」 一瞬ひるむほどの勢いで拍手混じりに到着を歓迎され、たじろいたがどれも懐かしい面子で。 思わず笑顔になる。 「久しぶり。 ────あれ、佐伯ハゲた?」 「ぶっはー!!きっついなーオイ」 「開口一番それかよ!!」 ちょうど目の前にいた同級生であるはずの、その貫禄のある姿につい、本音が口をついていた。 「オブラートに包むとかさぁ」 「やややっ、いーのいーの」 佐伯が周りのブーイングを大きなアクションで制止する。 かなり出来上がっているようだ。
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