第1話

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   わたし、星野友香は、半年前まで普通の女子大生だった。 父が経営する会社の業績が思わしくないと知ったのは、本当に偶然のことだった。 夜更けのリビングに漏れ聞こえた話し声。 家まで抵当に入れてしまったのだと言った父に、涙を流して頷く母。 従業員は50人程度の小さな会社だったけれど。 それまでは、何不自由ない生活を送っていたのだ。 このままだと、この家を取られてしまうと泣き崩れる母の姿を見て、わたしは黙って夜働くことに決めたのだ。 夜の仕事に抵抗が無かったわけじゃない。 けれど、その時のわたしは、他に選択肢がないように思い込んでしまった。
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