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ベッドから出ようとすると、不意に腕を掴まれてベッドの中に引き戻された。
「俺の傍から離れることは赦さない」
いつ目を覚ましたのだろう。
陸がわたしに鋭い眼差しを向けていた。
「……いつまで?」
「俺の気が済むまで。でも、安心しろ。友香と結婚なんて有り得ないからさ」
そのうち解放してやるよ、と陸は掠れた声で笑った。
音の無い部屋に、陸の笑い声が響く。
耳を塞いでも、いつまでも陸の声が鼓膜に残っていた。
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