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「冷たいな、友香は。少しは俺に感謝してくれてもいいだろう?」
「どうして、陸に」
「自分の立場を忘れたのか?」
「…………」
……そうだった。
わたしの家族を救ったのは、わたしに卑劣な行為を繰り返すこの男。
恋人と同じ顔をした、陸なのだ。
何も言い返せずに、陸から視線を逸らす。
もう見たくない。何も聞きたくない。
それでも、陸は言葉を続ける。
「空にも、父親の会社のことを相談したんだろう?で、どうだった?空は友香に何かしてくれたのか?」
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