第1話

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     「冷たいな、友香は。少しは俺に感謝してくれてもいいだろう?」 「どうして、陸に」 「自分の立場を忘れたのか?」 「…………」 ……そうだった。 わたしの家族を救ったのは、わたしに卑劣な行為を繰り返すこの男。 恋人と同じ顔をした、陸なのだ。 何も言い返せずに、陸から視線を逸らす。 もう見たくない。何も聞きたくない。 それでも、陸は言葉を続ける。 「空にも、父親の会社のことを相談したんだろう?で、どうだった?空は友香に何かしてくれたのか?」
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