4667人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「それは……」
それ以上、言葉を続けることは出来なかった。
空に父の会社のことを相談したのは事実。
何か力になってくれるかもしれないと、淡い期待を抱いていたから。
だけど、空は「大変だね」と言っただけで、何か策を考えてくれるわけでもなかったのだ。
落胆したけれど、同時に、当然だとも思った。
きっと、空は他人の会社の経営に口を挟める立場になかったのだ。
相談したわたしが間違っていただけ。
「俺だよ、友香」
「……っ」
「俺が、会社を守ってやったんだ」
「少しは俺の苦労に感謝しろよ」
そう言い放つと、陸はわたしをベッドに押さえつけた。
最初のコメントを投稿しよう!