第1話

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  「それは……」 それ以上、言葉を続けることは出来なかった。 空に父の会社のことを相談したのは事実。 何か力になってくれるかもしれないと、淡い期待を抱いていたから。 だけど、空は「大変だね」と言っただけで、何か策を考えてくれるわけでもなかったのだ。 落胆したけれど、同時に、当然だとも思った。 きっと、空は他人の会社の経営に口を挟める立場になかったのだ。 相談したわたしが間違っていただけ。 「俺だよ、友香」 「……っ」 「俺が、会社を守ってやったんだ」 「少しは俺の苦労に感謝しろよ」 そう言い放つと、陸はわたしをベッドに押さえつけた。
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