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陸は美しい顔で微笑むと、わたしの肌に指を滑らせた。
どうしてなの?
どうして、実の兄の恋人に、こんなことが出来るの?
「止めて」
そう言ったところで、陸の行為が止まったことは一度もない。
それでも、言わずにはいられなかった。
わたしの肌を撫で回しながら、陸は器用に身に纏っているものを過ぎ捨てていく。
止めて。わたしに触らないで。
空、助けて。
お願い、空。お願い……。
けれど、わたしの心の叫びは、誰にも届かなかった。
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