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「そ、そら?」
呆然として、その場に立ち尽くす。
蝋人形のように血の気の無いそらの顔。
そして、無数に繋がれた管と時折警告音を鳴らすモニター。
それらのすべてが信じられなかった。
本当に、意識がないの?
空に何が起こったの?
心臓がドクンドクンと激しく波打ってイヤな汗が流れる。
「ホラ、空は死にかけているだろう?」
「離してっ」
ククッと笑う陸を突き飛ばして、空の傍に駆け寄った。
「空、聞こえる?友香よ。急に連絡が取れなくなって、ずっと、心配してたの」
空の右手を握りしめて、ありったけの想いをこめて言葉をかけた。
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