第1話

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    「空、目を覚まして。お願いだから」 空、愛してる。 もし空が目を覚まして、今のわたしを見て軽蔑しても。 それでも、いいから。 お願い、空。 その手をギュッと握りしめて、何度も繰り返した。 「気が済んだだろ?」 冷たく落ちてくる陸の言葉を無視して、空に縋りついていた。 陸はそんなわたしを無理矢理空から引き離すと、引き摺るようにして病室から出ようとする。 「もう少しいいでしょう?陸、お願い」 「いい加減にしろ」 「……っ」 怒気を含んだ声で切り捨てられると、何も言えなくなってしまう。
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