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「空、目を覚まして。お願いだから」
空、愛してる。
もし空が目を覚まして、今のわたしを見て軽蔑しても。
それでも、いいから。
お願い、空。
その手をギュッと握りしめて、何度も繰り返した。
「気が済んだだろ?」
冷たく落ちてくる陸の言葉を無視して、空に縋りついていた。
陸はそんなわたしを無理矢理空から引き離すと、引き摺るようにして病室から出ようとする。
「もう少しいいでしょう?陸、お願い」
「いい加減にしろ」
「……っ」
怒気を含んだ声で切り捨てられると、何も言えなくなってしまう。
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