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「早く、足を開けよ」
陸は意地悪な笑みを浮かべて、わたしを見下ろす。
黙っていると、わたしでも迷う程に二人は似ている。
でも、似ているのは容姿だけ、性格はまるで違う。
「友香のその顔、いいね。もっと苛めたくなる」
「……もう、死なせて」
絞り出したわたしの声は、陸の笑い声に掻き消される。
「死にたいなら、勝手に死ねよ。
友香が死ねば、妹の愛莉(アイリ)だっけ?あの娘に俺の相手をしてもらうけど」
さぁ、どうする?と空と同じ顔、同じ声で囁く陸。
妹、愛莉は、まだ高校一年生。キスもしたことがないと言っていた、無垢な妹。
「……酷い」
睨み付けても、陸は面白そうに笑い続けている。
この男、陸が憎い。心底そう思った。
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