第1話

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      「早く、足を開けよ」 陸は意地悪な笑みを浮かべて、わたしを見下ろす。 黙っていると、わたしでも迷う程に二人は似ている。 でも、似ているのは容姿だけ、性格はまるで違う。 「友香のその顔、いいね。もっと苛めたくなる」 「……もう、死なせて」 絞り出したわたしの声は、陸の笑い声に掻き消される。 「死にたいなら、勝手に死ねよ。 友香が死ねば、妹の愛莉(アイリ)だっけ?あの娘に俺の相手をしてもらうけど」 さぁ、どうする?と空と同じ顔、同じ声で囁く陸。 妹、愛莉は、まだ高校一年生。キスもしたことがないと言っていた、無垢な妹。 「……酷い」 睨み付けても、陸は面白そうに笑い続けている。 この男、陸が憎い。心底そう思った。
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