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病院の面会時間を待って、マンションを飛び出した。
通り出るとタクシーを捕まえて、早口で行き先を告げる。
往復で一時間。
それぐらいなら、陸にバレずに戻ってこれるはずだ。
きっと、大丈夫。
心の中で、何度も呟いて自分に暗示をかけた。
握り締めた掌は、緊張で汗ばんでいた。
陸の許可なしに空に逢えば、罰をうけるとわかっていたのに。
それでも、わたしはこの衝動を抑えることが出来なかった。
面会の受付時間は午後からだ。
素知らぬふりをして、ナースステーションを通り抜け、奥の個室へ向かう。
中の様子を伺うように、そっと病室のドアを開けた。
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