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そうよ、これは何かの間違いよ。
もしかすると、空のホクロは消えてしまったのかもしれない。
陸がわたしの優しい恋人の空と同一人物のわけがない。
そう思い込もうと、何度も自分に言い聞かせた。
それなのに。
わたしの身体は寒くも無いのに、ガタガタと震えがきて動けなくなってしまった。
検温にきた看護師に見つかって、病室から追い出されるまでの間、わたしは言葉もなく自分自身を支えるように抱きしめていた。
重たい足を引き摺るようにしてマンションに戻った。
躊躇いながら、そっと玄関を開ける。
陸の靴が無いことを確認すると、ホッと安堵の息を吐いた。
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