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明かりもつけず、ベッドの上で蹲っていた。
今まで起こった出来事を思い返してみても、空と陸が同一人物だとは、どうしても思えない。
空はわたしを大切にしてくれた。
あの幸せだった日々が偽りだったなんて、そんなこと絶対に有り得ない。
『友香、バイトを辞める気はないの?』
心配そうな空の声が蘇る。
「辞められないの。ごめんね」
そう言えば、空はわたしをギュッと抱きしめて
『じゃ、出来るだけ、店に顔を出すようにするよ』と言ってくれた。
あの腕の温もりを優しい笑顔を、わたしは信じている。
信じてるから……。
と、そのとき、ガチャリとドアが開く音がした。
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