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男にしては綺麗な陸の手が伸びてきた。
ベッドのスプリングが軋むと同時に、陸がわたしに馬乗りになって首を絞める。
わたしは苦しくて、その腕を掴んで悶える。
わたしの爪が陸の腕に食い込んで、うっすら血が滲んでいるのが見えた。
このまま力を緩めずに、わたしを殺して。
そう願うと、途端に陸はわたしの首を絞めている腕の力を抜いた。
急激に空気を吸い込んで、咳き込むわたしを冷たく見下ろしながら、陸は自分の服を脱ぎ始めた。
無駄のないしなやかな身体も空と同じだ。
脳に酸素が足りていないのか、意識が曖昧になっていく。
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