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「もっと、泣けばいい」と陸は言う。
そして、わたしが憎いとも。
だけど、わたしには、わからないのだ。
どうして、こんなにも陸に憎まれているのか。
陸は乱暴にあたしの衣服を剥ぎ取ると、晒された身体をマジマジと見詰めた。
「貧相な身体」
そう思うなら、他の女を抱けばいい。
陸だったら、相手には不自由しないはずだ。
それなのに、何故わたしを執拗に嬲るのか。
「……電気を消して」
消え入りそうなわたしの声に、陸は珍しく黙って従った。
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