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この学園で新入生である相手で喧嘩を売ってはいけない連中は主に四人いるといわれている。まずは、ベリアル・ロズワルト・セリシア。なんといっても第一貴族の娘である。彼女に勝てる家柄など王家しかいない。だが彼女に喧嘩を売ったことは彼女自身は気にしない。当主に知られれば終るが。そして、アロウ・クウェルフト・シンシアとクロウ・クウェルフト・マヤは有名である。貴族ではないがアロウに喧嘩を売れば生きて帰ってこれないとも言われている。そしてシスコンでありその妹であるクロウに喧嘩を売れば、アロウによる制裁が待っている。そして最後にロスター・グラディアス・ローズ。彼は第二貴族のほかにもう一つ、聖騎士に所属しているという噂さえあるのだ。彼に喧嘩を売ってしまえば骨すら残らない。
そして、アロウはあろうことかそんな彼に下種呼ばわりしたのだ。
「おい、貴様、今謝れば見逃してやるぞ」
「下種が、妹に触れる愚か者に謝る言葉などあるわけなかろう」
お前のシスコンは末期というか、絶望的だろ、という心の突っ込みはBクラスの連中が思っている中、災いのように壇上が荒れていた。
「お姉ちゃん、大丈夫だよ」
「それと、お姉ちゃんが失礼な事をいったようだけど、末期レベルのシスコンだから仕方がないんだよ、夜もあつあつだし」
お前ら、夜、何しているんだよ、姉妹で!!
クラインの心の声が聞こえた気がしたが、クロウは無視して彼に謝罪の言葉を続ける。
「貴方の気がこれで済まないのなら、お姉ちゃんの代わりに私が相手になるよ、お姉ちゃんだとぎりぎりな試合になって後味悪くなるから、私がその強固なプライドを粉々にしてあげる」
「は、お前、魔法戦闘ギリギリだろ、勝てるわけ」
「クラインは黙っていて、お姉ちゃんを悪く言うのは私が許さないから」
「いいだろう、ここで決着をつけてやろう、どちらが早くっ!!」
目の前が一瞬で真っ暗になりそうだった。後ろに数歩下がった。
彼女から何かを感じた。それが恐怖だったのかもしれない。
しかし、ロスターはそれを認めなかった、そして彼は、壇上で彼女のしたにいた。
つまり、押し倒されたのだ。
「これで、負けを認めないのなら、殺すけど、降参する?」
何を向けられているのかわからないが、それは黒い塊だった。
それが銃だと理解するのに数分費やした。
「いつ――抜いたんだ?」
「君が存在に気づく前だけど」
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