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彼女の額の血がロスターの顔に落ちた。それが怖かった。
こいつ、さっき頭打ったのになんでぴんぴんしているんだ?
そもそも、何故俺はこいつに俺よりも早く動けているんだ?
「クロウ、止めさない、どうせ、彼には理解できないでしょ、クロウと彼の間にどれほどの力の差があるかなんて――」
何を言っている、俺は弱くないぞ。
「そうね、クラインじゃないし、彼には一生わからないでしょうね、あえて恐怖は教えないであげましょう」
むくりと起き上がり額の血を拭き取った。いつの間にか血は止まっていたようだ。
「一応、お礼は言うわ、妹を助けようとしてくれてありがとう、だけど今後一切妹にはかかわらないでね、弱虫さん」
その後も、表彰は普通に進んだ、ロスターは魂の抜けたような顔になっていたが、会場の人間も何も言えない。
その日、一年生にたたきこまれたのは、絶対にクウェルフト姉妹に喧嘩を売らないことと、クロウに告白しないことだった。
交流会も無事?終わり、当日の事件騒動のお陰で延期された特待生の発表が先日書式にて発表された。
クウェルフト姉妹は当日の騒動の主役でありながらも、特待生枠を勝ち取りなんとか学費&寮費免除の処遇を得た。他にも特待生は複数名おり、全部で20人ほどの特待生がそこには書かれていた。その中にはクラインやベリアル、ロスターの名前もあり、彼らも家柄だけでなく本人の努力もあるのだと感じた。といってもあれから数日間は寮部屋にこもっているロスターは心に大ダメージを得ただろう。といってもクラインの方も今は学園に来ているが二日ほど寝込むレベルで学園を欠席していた。よほど選ばれたのがトラウマになったのだろう。からかいがあるとおもって待ち構えていたが、蒼白とした彼を見たらその気が一気に消え失せた。
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今日は昨日とは違う日が訪れる
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