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「静かにしろ、グラディアス。貴様らは知らないようだが、彼女たちは――」
「黒天使部隊隊長のアロウ・クウェルフト・シンシアと黒天使部隊と天使部隊隊の責任者のクロウ・クウェルフト・マヤであるぞ」
「まあ、いざとなったら簡単に闇に葬り去れるリーダーということで平民である私たちがついているが、貴様らなどの命を捻りつぶすなど赤子のようにできるぞ」
恐怖の目を与える。
彼女たちは笑っているがそれを一層恐怖の層を煽る。
「つまり、私たちは第一貴族以上に格上の存在というわけだ――ロスターくんにはすまないとだけいっといてくれ、彼を利用したことは今日のこの日の為に必要だったのだ」
つまり、あの披露宴すら彼女たちのシナリオ上で決まっていたことだった。
ロスターとクウェルフト姉妹が選ばれることがアンケートの結果など無視してでも決定事項だった。クラインの事は予想外で、あれだけがアンケートの結果をそのまま反映されている。
「さて、本題に入ろうか、王よ」
にやにやしながら続ける。
周りの貴族が悩んでいることなど彼女たちには関係ないのだ。
問題児の処分という名目で集まっている彼らだが、実際の問題はそこではない。
これからの未来の話だ。
「北の山脈にて魔族が復活した事を御存じだと思う、知らないのならばとっとと、天使総括長から資料を要求しろ、私たちは彼らにすら秘密の部隊なのでな」
表向きは雑用のようなものだからな。とアロウは付け加える。
「魔王の復活が最近噂されているだろうが、それよりも重要な案件がある」
「“夜”と呼ばれるテログループから破壊予告が来ている」
そういうと、彼女は何かを取り出した。
声紋記憶装置。この世界に存在する声を記録する魔法道具だ。
彼女の手によってそれが再生される。
“クルセイド王国のみなさん、初めまして
私は――ブラックラビットといずれ呼称される存在です
王国の皆さまにお知らせがあり、このような方法で報告させていただきます
私たちは王国を破壊する者たちです
といっても、影で破壊するにはどうも気づいてくれない気がしたので、前もって私たちが行ったということを知ってもらいたいと思いました。
最近魔族が動いているので。それと勘違いなさらないようにとも思っていましたから。
まあ、忠告するならば、二か月後に魔王が復活するでしょうが、そんな魔王に申し訳ない。
一ヶ月で世界を滅ぼします
せめての抵抗を貰いたい。
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