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「司令長と仲良しさんの栄志が司令長と仲良しさんのリアさんと仲良しさんになるのは必定…ですよね?」
『どんだけ仲良し強調すんだ』
「リアさんが短大へ入った頃に初めて会ったって、栄志言ってました。私も見たかったです」
『…何をだ』
「短大生のリアさん」
『オッサンか』
「可愛かったでしょうね!勿論今も滅茶苦茶可愛いですが」
ニコニコしやがって…
その顔じゃなかったら半端なく気持ち悪ぃ発言だろうよ。
「リアは…ゆるキャラだ」
『…壱。それ褒めてんのか?』
「無論です」
『……そうか』
コイツら…
色々と大丈夫かよ。
『ごっそさん』
やっぱ付き合ってらんねぇ俺は箸を置き、立ち上がった。
「何時ものとこですか?」
『ああ』
適当に相槌を打ち、何時もの…店のカウンターへと移動する。
「何や。また避難と遠慮か?」
『五月蝿ぇ。灰皿』
「はいよ。飲みモンは…これでええんやろ?」
『フン』
生意気にも清水焼のチェイサーを寄越す手からそれを奪い取り口に含んだ。
「どやった?あら煮と里芋」
『…普通』
「フ……その割りにご飯、進んどったやんか」
『ッ…腹ぁ減ってたら、何でも美味く感じんだよ』
「素直にゆいぃや…」
『うっせ!それより、さっきの緑のヤツ。もっと寄越せ』
「緑…?蕗(ふき)の炊いたん?血ぃ吸うたろかもエグい程美味かったんか?」
『…名はマズイが不味か無ぇ』
「フッ!お前そんなんやさかい…島田に付き纏われんねやで」
『あぁ?意味分かんねぇ…良いから山盛り寄越せ』
「はいよ。山盛りな」
煙草に火を点け、悠伍郎と下らねぇ話をしながら暫くまったり過ごしていた。
「…隼人」
『あ?』
「お前…もしほんまにハイパーから声掛かったら行くんか?」
急に、真面目な顔した悠伍郎に再び手が煙草へ伸びる。
「やめとき。今よりもっと酷い目ぇ…おうてまうで」
『…』
「俺は現場組の仕事がどんなけ大変かよぅ知っとる。お前らがこない陽気に酒呑んでへんのもしょっちゅう…見とる」
『…』
「消防官は遊び過ぎやて知らん奴はほざきよるけど、酒…呑まなやってられん時のが多いて」
『幾ら訓練しても助けらんねぇ時が多いモンは仕方ねぇさ』
「俺は…いや。せやし余計にや―…ッどないした?リア」
不意に言葉を和らげ、俺の後ろに声を掛けた。
「あ…お茶を…」
「ほなそこ、座っとき?」
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