超人眼鏡

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 平凡な人生を送っていた義也が、非凡な日常にチェンジしたのは、ある事件が切っ掛けだった。  それは、白昼堂々と人々を襲う通り魔事件で、それは通り魔と呼ぶより、殺戮と呼ぶ方がしっくり来る大惨事になっていた。  義也は、偶然そこに居合わせた。  その時点で犯人は拘束されておらず、かなりデンジャーな状況だった。  だから、携帯で記念撮影するような不謹慎な輩も居ない状態で、人々は、ただ逃げ惑うばかり。  義也とて、他人など構っていられない。とばっちりを受ける前に、その場から逃げ出すのが得策だった。  そんな時、怯えた民衆に逆行するサラリーマンが居た。  歳は、それほど若くない。服装も冴えない。ただ、顔立ちは自信に満ちていた。  義也は、不思議なリーマンと軽く接触する。当然、挨拶をする余裕は無かったが、リーマンは言葉を発した。 「失礼」  印象に残る予想外に太い声に、何故か安心感を覚えた。  この一言と共に、リーマンは駆け去った。
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