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──というのが“ただの建前”であることはあたしが一番よく判っていたりする。
秀秋の腕に抱き取られたまま、彼が促したようにもう一度寝入る、なんて無理だった。
本当は、眠ったりしないで一晩中イチャイチャしていたいんだけど。
それを二番目の立場で望むのは、あまりにも図々しい。
秀秋は将来弁護士になるべく、法律を勉強している男の子だ。
睡眠は学習の最大の味方なんだって、親友の彼氏(なんかどっかの研究員。すこぶる頭がいい)が言っていた。
朝になれば、この甘ったるい体温と時間とはおさらば。
そして、次にここに来れるのはいつか判らない。
二番目の女の悲哀とは、こういうものだ。
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