第1章

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(コツ...?) 後ろで聞こえた小さな音に反応し、ジグは音がした場所に振り向く。 しかしそこには何もなく、ただ岩肌が見えるだけ。 コツコツ... 今度は上から石ころが落ちてきて、ジグは上を見上げた。 「?? お、お頭...」 「ん、どうし...!?」 ジグの焦った声で振り返ったヴィアは、ジグも見ているであろうものを視界に入れた瞬間、固まった。 それは岩肌の崖の上からこちらを囲うようにして、赤い目を光らしてじっと見つめてくる、真っ黒なゴリラのような姿[コングマン]の群れだった。 見つめ合うこと数秒、群れの中心にいる一際大きなコングマンがゆっくりと口を開いた。 「人間、オレタチノスム山、荒ラシスギタ。モウ、限界」 「え、ちょ、お頭!あいつ喋ってる!」 「落ち着け。コングマンは人の言葉を話す事ができる動物だ」 そう説明すると、ヴィアは大きく息を吸った。 「コングマン達、私達は山を荒らしていない!それに、もうこの山を去る!」 そう叫んだ後、少ししてからコングマンが話し始めた。 「人間、オレタチ、アツメタ宝、全部奪ッタ。許セナイ」 「...それって」 「十中八九、あいつらの仕業だろう」 「モウ、限界。人間」 「お頭、俺の警戒センサーがやばいって言ってる...」 「私もだ。話も聞いて貰えなさそうだし...」 「喰ウ!!」 「っ!逃げるぞ!!」 ヴィアは少女を肩に担ぎ、2人は猛スピードで、追いかけてくるコングマン達から逃走を開始した。
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