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「遅かったな」
一両目につながる扉を開けて入ってきた二人に気づいた青年は、ダイニングテーブルを囲うイスに座り紅茶を飲みながら声をかけた。
「だってよーテオ、お頭がさー」
「だから悪かったって」
頬を膨らませて文句をいうジグに
ヴィアは苦笑しながら謝った。
その姿にテオと呼ばれた青年は察しがついた様で、またか...といいながらコップを置いた。
黒シャツに黒のズボン、漆黒の髪を肩まで伸ばし両サイドの髪を水色に染めているテオは、
水色の瞳をヴィアに向けて眉をひそめた。
目線だけで訴えるテオに、ヴィアはやはり苦笑するだけで、話題を変える様に言葉をはっした。
「分かったって。...ティトルは?」
「操縦室にいる。この地域でのオートモード操作は危ないんだそうだ」
「そっか。...ちなみにあと何分ぐらいで着く?」
「あと5分もしない内に...だ」
だから呼んだんだと言いたげな表情でこっちを見てくるテオを無視し、イスに座ってあくびをもらす。
もうとっくにイスに座って様子を眺めていたジグは、テオを見てニヤリと笑い、
「無視されてんのー」
「...うるさい」
テオをおちょくっていた。
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