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ガタンッ
「着きましたよー」
列車みたいな乗り物-エルピス-の停止とともに操縦室から男性がにこやかな顔で出てきた。
白銀の髪を後ろで一つに結び、茶色の長い薄いコートを着ている。
白のパンツをはき、薄紫色の瞳をもつ目を細め、ニコッと微笑むその姿は、全体的に和やかな印象を受ける。
「ご苦労様、ティトル」
そう言われたティトルは、はい、と笑顔で返事し、ヴィア達の輪にまざった。
「それで、今回は誰が行くんだ?」
ジグの問いかけにヴィアはすぐさま答える。
「私とジグでいく。テオとティトルはここに残ってくれ」
その言葉を聞いたジグは嬉しそうによっしゃ!と言ってガッツポーズをした。
「僕達は見張り番、ですね。はい、任されました。ね、テオ」
「ああ。...怪我してくるなよ」
「え、心配してくれてるの?いやーうれ「いや、薬がもったいない」...ひでぇ!」
俺の心はガラスでできてんだぞー!とわめくジグに対して、フンッと鼻をならすテオ。
さっきのおちょくられた仕返しだろう。
してやったりな顔をしていた。
「はいはい、いくぞジグ。それじゃ、エウテュケーマ(成功と)」
「「エウテュキアー(幸運を)」」
そう言葉を交わして、ヴィアとジグはエルピスを出て行った。
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