第1章

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エピストロフィは5つの大陸に別れている。 中央の他より小さい面積の大陸を囲む様に東西南北の大陸があり、ヴィア達が今いる場所は東大陸の東の地にあるスクリロス峡谷である。 自然が少なく、岩肌が見えるスクリロス山にある渓谷は深く、落ちたら運が良くても川に流され、止まることなく海へと流されるような場所である。 谷間は風が強く吹き荒び、下の川は海まで轟々と流れている。 ヴィアとジグはそのすぐそばを歩いていた。 「けっこう深いなー」 「あまり見るな、落ちるぞ」 「んなへましねー...うわ!!」 突然ジグの足元が崩れてバランスをくずし、落ちる。 だがジグがとっさに手を伸ばしたことにより、ヴィアがジグの手をとり、ジグを助けた。 「あっぶねー...」 「だから言ったんだ、落ちるぞって」 「...言うとおりです、お頭」 そんなやりとりをしながら、山と谷をつなぐ唯一の吊橋を渡り、山を登っていくが、その途中ヴィアは急に立ち止まり、目の前の岩と岩の間を静かに覗いた。 「どうしたんだ、お頭?」 急に立ち止まって覗いているヴィアを不思議に思いながら寄ってくるジグに、口に人差し指をあて静かにとジェスチャーし、顎で岩の向こうをさす。 察したジグは静かにヴィアにより、岩の向こうを見た。
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