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ー小笠原・宇都宮サイドー
とりあえず、俺は春仁と呼ばれていた男子学生を車の助手席に乗せ、話を聞くことにする。俺は運転席に座る。
「警察だ。何故、あの男子学生に暴力を奮っていたのか、聞かせてもらう」
蹴られた腹を押さえながら、春仁は言う。
「あんたら、化物かよ! ゲホッ!何だよ、あの力は!?」
「俺を化物と一緒にするな。化物はアイツだけだ」
俺はどこかに電話しているヤマブキを指差して言った。
てか、こんな時間にどこに掛けてんだ?
「とりあえず、落ち着け。名前は何て言う?」
「・・・・・・宇都宮春仁」
「宇都宮君か。君はどうしてあの子に集団で襲いかかった?」
「・・・・・・」
「そう警戒するな。この件に関しちゃ俺らはお前を逮捕しようなんて気は無い」
「どうしてだ?」
「こっちにも事情があるんだよ」
宇都宮が重い口を開く。
「・・・・・・アイツの親父がうちの学校で数学教えてんだよ」
「それで?」
「言いたかねえけど、俺は数学の点数が悪いんだよ。それで、アイツをからかっていたんだよ」
単に気に食わないだけなのか。
「それで・・・・・・」
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