山吹色のヒーロー

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思わず口に出したが、確かに周囲に男の気配はない。 「良かったぁ~」 私は安堵した。自宅ももう見えている。 とりあえず、信号が青に変わったので自宅まで向かおうとした。 「おい!」 突如、後ろから怒声が響く。 「え?」 困惑し、振り返る。すると、あの男がいた。手にはどこかから拾ってきたの様な鉄パイプが握られていた。 「てめぇ! この前はよくもやってくれたなあ!」 私は足がすくんで動けなかった。男の言っている意味が分からず、私はますます困惑した。 「え? 何の事? で、でしょうか? 人違いではな、ないでしょうか?」 そう言うと、それが男の癇に障った様で ますます怒りを露にした。 「てめぇなめてんのか!?」 「本当に分からないんです! やめて下さい!」 男に反論した。すると男が口を開く。 「もういい」 「え?」 「もう喋るな。直ぐに黙らせてやる!」 男は持っていた鉄パイプを振り上げる。それをそのまま私目掛けて振り下ろしてきた。
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