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「それでは、犯人の人相を教えて頂きますか?」
「・・・はい。身長は180以上ある大柄、服装は黒いジャージのようなものを着ていて、眼鏡を掛けて、髭を蓄えた3、40代の男性です」
すごい。一瞬切りつけた相手のことをこんなに覚えているなんて。
「春町!」
小笠原さんが私の名を呼ぶ。
「何ですか?」
「さっき病院から電話があって・・・・・・重症だった男性が死亡したそうだ」
「そんな・・・・・・二人も亡くなるなんて」
「俺達は一応病院に向かうぞ。その女性も念のため病院に連れていこう。それでは、湯沢さん。ここを頼みます」
「了解しました」
湯沢君は敬礼して、持ち場に戻った。
「平須さん。念のために病院へ向かいます。構いませんか?」
「はい。構いません」
私は平須さんと救急車で、小笠原さんはパトカーで病院に向かう。
「平須さん。大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。軽傷ですので・・・・・・ただ、他に襲われた人が全員亡くなってしまってすごい怖いです・・・」
「お気持ちお察しします。私も昔、男性に襲われたことがあるんです」
「刑事さんもですか? よく・・・助かりましたね」
「ほんと、そう思う。でもある方に助けて頂いたんです」
「ある方・・・とは?」
「山吹色のコートを着た男性の方にです」
「・・・・・そう、なんですか・・・・・・」
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