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おそらく、このとき俺は気付いていなかった。
計画通りに、何もかも上手くいくような気さえしていたのかもしれない。
羽村を落とそうとする俺と、落ちまいとする羽村。
その攻防のことしか、考えていなかった。
……浮かれていたのか。
単に浅はかだったのか。
羽村の一番近くにいるという驕りがそうさせたのか。
どれも正解でどれも違う気がしないでもない。
が、その理由がわかったからといって、どうにもならない。
とにかく俺は、気付いていなかった。
戦いはもうひとつ、生まれていることに。
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