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月曜、出社してきた羽村の目元には、うっすらクマが浮いていた。
思わずにやりとしてしまう。
作戦は順調に進んでいるようだ。
『少しは思い出した?』
送ったメールに、羽村は驚くほど素早くガチャン、と大きな音を立ててコマンド操作をした。
おそらく、慌ててウインドウを閉じたんだろう。
あの文言を見てそんなに動揺していると思うと、つい笑ってしまった。
……ら、羽村と目が合った。
……おーおー、怒ってる怒ってる。
何だか楽しくなってきて、俺は追撃メールを送る。
『つれないね。かわいかったのになあ、夜は』
読んですぐ、消しているんだろう。
険しい顔で無視を続ける羽村が可笑しくて、さらにメールを送りつけた。
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